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2021.08.24

なぜクラウドなのか?|エフコムのIT-Tips!

クラウド-min

2018年6月、政府は、今後導入する政府情報システムについて、クラウドサービスの利用を第一候補として検討する「クラウド・バイ・デフォルト原則」を発表しました。

また、令和3(2021)年版情報通信白書では、何らかのクラウドサービスを利用している企業が68.7%に達したと示されています。

政府や企業は、なぜクラウドを選択するのでしょうか?

今回は、今後システム導入を検討するなら知っておきたいクラウドのアレコレについて、改めて解説いたします!

そもそも、クラウドとは?


クラウドコンピューティング、略してクラウドは、「ソフトウェアやサーバーやストレージなどのハードウェアをインターネットを通じて、必要なときに必要な分だけ利用することができる仕組み」のことです。

クラウドが選ばれる理由!


この「必要なときに必要な分だけ利用することができる点がクラウドの一番の特徴であり、選ばれる理由でもあります。

クラウド登場以前は、必要なソフトウェアやハードウェアを「買取る」購入形態が主流でした。そのため、最初に支払う費用(いわゆる初期費用が高額になったり、初期費用分を回収する前にソフトウェアやハードウェアの利用を止めたりすると投じた費用が水の泡になったりすることも。

一方、クラウドは、基本的に利用したい分、あるいは、利用した分だけを月単位や年単位などで支払う形式ですので、クラウド登場以前に比較すると段違いに初期費用を抑えられることもしばしば。また、利用を止めたからといって費用が無駄になることもほとんどありません

誰だって、無駄な費用は払いたくないもの。

そのため、「必要なときに必要な分だけ利用することができる」クラウドは広く受け入れられ、普及していきました。

クラウドのメリット


「必要なときに必要な分だけ利用することができる」を含むクラウドの主なメリットは次のとおりです。

  • 初期費用を抑えられる
    クラウドの場合、クラウド提供事業者が用意したソフトウェア・ハードウェアを利用料を支払って使用する形になります。そのため、自前でソフトウェア・ハードウェアを購入する必要が無いので、初期費用を低くすることができます

  • 拡張したり(スケールアウト)、縮小したり(スケールイン)がしやすい
    従業員や店舗数の増減などで、ソフトウェアやハードウェアの必要量が変わることがあるかと思います。
    そんなとき、自前で用意したソフトウェア・ハードウェアですと減らすことはできないですし、増やすにしても追加分を購入したり、設定したりといった作業が必要で、費用も時間もかかります。
    一方、クラウドの場合は、クラウド提供事業者に増減を依頼をするだけで、必要なときに必要な分だけ利用することが可能です。費用も時間も自前で用意するより低く抑えることができます。

  • 運用費用も抑えられる
    自前で用意した場合、ソフトウェアの更新費用やハードウェアを設置する場所代(賃料)、動作させるための電気代、日々の管理や修理、交換費用、それに関わる人件費など、日々運用費用が発生します。
    一方、クラウドの場合は、こうした費用が利用料金に含まれていることがほとんどですので、運用費用を低く抑えることができます。

  • 災害対策になる
    例えば、東日本と西日本の2か所のクラウドに同じデータを保存しておくことで、どちらか一方がダメージを受けても、もう片方でデータを守ることができる体制を簡単に構築することができます。

クラウドのデメリット


一方、主なデメリットとしては以下があげられます。

  • カスタマイズ性が低い
    自前で用意したソフトウェア・ハードウェアであれば自由にカスタマイズ(改造)することが可能ですが、クラウドの場合は、クラウド提供事業者が認めている範囲でしかカスタマイズすることができません

  • クラウド提供事業者に依存する部分が出てくる
    例えば、クラウドに何かトラブルが生じた場合、クラウド提供事業者がトラブルを解消するまで利用しているソフトウェア・ハードウェアが使用できなくなったり、クラウド提供事業者の都合でクラウド事業が急に終わってしまうなど、自分たちではコントロールできない部分が出てきます。
    セキュリティの強度もクラウド提供事業者に依存しますので、注意が必要です。

まとめ


今回は、あらためてクラウドについて解説させていただきました。まとめると下表のとおりです。


クラウド

クラウド以前(自社購入)

ソフトウェア・ハードウェア クラウド提供事業者から借りる 買取る
初期費用 安い 高い
運用費用
  • クラウド提供事業者に利用料として支払う
  • クラウド提供事業者が行う
    (自社での管理や保守作業は不要)
  • 定期的な支払いは無し
  • 自社にて管理や保守作業を行う

拡張
(ハードウェアの数を増やすなど)

  • クラウド提供事業者が行う
  • 利用料が増減する
  • 自社で行う
  • ハードウェア等の追加購入費などが発生する
カスタマイズ性 低い 高い
セキュリティ クラウド提供事業者に依存する 自社での管理が可能
障害対応 クラウド提供事業者に依存する 自社での管理が可能
災害対策 複数エリアに複数のバックアップが簡単に持てる バックアップ用ハードウェアをどこに設置するかなど、自社で手配すれば可能

なお、クラウドがよいのか、その他の方法がよいのかは、状況に応じて異なります。

エフコムでは、お客様のご要望(〇〇を自動化・効率化したい、〇〇のコストを下げたいなど)はもちろん、現在ご利用中のシステム(ソフトウェア、ハードウェアなど)、予算感、導入希望時期などを踏まえて、最適な方法をご提案いたします。まずは、お気軽にお問合わせください!