FCOM's Blog
2022.07.15
情報が覗かれている?検索した内容が広告に反映される仕組みとは|エフコムのIT-Tips!

Googleなどで「ダイエット」と検索したあとに、やたらとダイエット商品の広告が表示されるようになったことはありませんか?
まるで、自分の検索履歴を覗いているかのような・・・
これは「ターゲティング広告」と呼ばれる広告で、「トラッキング」という仕組みを用いて表示されています。
この場合のトラッキングは、匿名=個人が特定されない状態でWeb上におけるユーザーの行動を記録・追跡することを言います。
具体的には、下記のような情報が個人が特定されない状態で収集されています。
・ ブラウザやOSのバージョン
・ Webサイトの閲覧履歴や訪問回数
・ 検索キーワード
・ SNSへ投稿した内容から解析されたユーザーの趣味嗜好
・ 位置情報
匿名化されているとはいえ、ちょっとドキッとする情報ですよね。
近年、プライバシー保護の観点から、トラッキングはユーザーの同意を得て行うことが世界的な主流になりつつあります。日本でもAppleがトラッキングの同意についてユーモラスなCMを公開して話題になりました。
さて、トラッキングにより収集されるのは匿名化された情報にもかかわらず、どうして自分が検索した内容が広告に反映されるのでしょうか?
トラッキングを実現するデジタル技術には、次のようなものがあります。
・Cookie(クッキー) 閲覧したWebサイトから発行されたデータをあなたのブラウザに一時的に保存する仕組み ログインID、サイトを訪れた日時、訪問回数、ECカートに追加した商品の情報など
・広告識別子(広告ID)スマホやタブレットなどのモバイル端末を識別するためのユニーク(重複しない一意の値)かつリセットも可能なID 広告のクリック履歴といったアプリ内の行動履歴など
・ブラウザーフィンガープリント 閲覧したWebサイトがブラウザから取得できる、利用しているPCなど端末およびブラウザに関する情報 使用言語、タイムゾーン、ブラウザやOSの種類やバージョン、画面の解像度など
・スマートフォンアプリ 位置情報の利用許可を求めてくるものなど 位置情報、行動履歴など
・SensorID スマートフォンに搭載されているセンサーを用いたトラッキング 加速度センサーやジャイロセンサーなどのセンサー情報を用いる
このような技術で収集された匿名データを分析することで、興味を持ってもらえそうな広告を推測し、広告は表示されています。
つまり、匿名データを収集する技術と収集したデータを分析する技術、この両方が合わさることで、まるで自分の行動を逐一覗かれているような印象すら与える広告配信を実現しているのです。
一つひとつの技術が扱っている情報は、個人を特定するものではありません。
しかし、近年、これらの情報を組合わせることで、個人を類推することができるのではないか?という点が問題視されはじめました。
そこで、トラッキングを行う場合は、ユーザーの同意を事前に得ること(オプトイン)がお作法になりつつあります。
最近、Webサイトを訪れた際に表示される「Cookieを受け入れる/拒否する」「Cookieの使用に同意する/同意しない」といったメッセージは、そのお作法にのっとって行われるようになりました。